はや2NOWの歩き方1:
「拡張版はや2NOW」の紹介
「はやぶさ2」とは、地上局にある大きなアンテナを用いて電波で通信しています。その状況がリアルタイムでわかるウェブコンテンツ「はや2NOW(Haya2NOW)」を2018年より公開しています。当初の内容は【このページ】にて解説しています。
地球帰還と拡張ミッションへ向けて、2020年末にページをリニューアルいたしました。是非、「はやぶさ2」の現在の運用の様子をご覧ください。
ご注意:
「はや2NOW」は広報用のウェブコンテンツです。探査機が正常でも、お使いのウェブブラウザの設定やネットワークの状況によっては、正しく表示されないことがあるかもしれません。また、システムのメンテナンス等のため一時停止する場合があります。そのような場合にはしばらく時間をおいてからアクセスしてみてください。

図1 「はや2NOW」の画面例
画面は、探査機のイラストが描かれている上の段と、UDSC64から始まる下の段に大きく分かれています。パソコンでご覧いただいている方は、ブラウザの横幅を狭くすると上の段は横一列ではなくて二段、三段・・・となります。下の段は、ブラウザの幅が狭い場合にはスクロールして左右に動かすことになります。
表示されている内容ですが、画面上でポインタを項目名に乗せると簡単な説明がポップアップ表示されます。
以下では、図1に示されている画面を図2のように区分し、各区分について説明します。

図2 画面の区分(緑枠は今回更新があった箇所を指します。)
A | : | 現在の日付と時刻が年/月/日、時:分:秒で示されています。アクセスした地域の時刻になりますので、日本でアクセスするとJST(日本時間)の表示になります。 |
B | : | 打ち上げ時刻(L)である2014年12月3日13時22分4秒からの経過時間が示されています。 |
B’ | : | 地地球帰還時刻(R)と定めた2020年12月6日02時30分00秒からの経過時間が示されています。 |
C | : | データが生成された時刻(探査機時刻)が示されます。 |
D | : | データを地上局で受信した時刻が示されます。 |
E | : | 太陽を中心とした探査機の軌道図を黄道面の北側から見た図に更新いたしました。探査機と地球に加えて、拡張ミッションで2031年にランデブーを目指している小惑星「1998KY26」、そして2026年にフライバイを目指している小惑星「2001CC21」の軌道と現在位置を示しています。 |
F | : | 高利得アンテナ(ハイゲインアンテナ=丸い円盤状のアンテナ)が使われているときには、そのアンテナが点滅します。また、現在、「はやぶさ2」が消費している電力(バス電力)が表示されます。また、イオンエンジンが使われているときには、運転中のイオンスラスタが点滅するようになりました(最大3台同時)。 |
G | : | 最初のバージョンでは、ここに広角の光学航法カメラ(ONC-W1)から見たリュウグウの位置・大きさが略図として表示されていたのですが、リュウグウ近傍フェーズの終了に伴い、本項目は削除いたしました。1998 KY26到着後に復活するかもしれません。 |
H | : | はやぶさ2」が使用しているアンテナが示されます。 |
I | : | 中利得アンテナ(MGA)が向いている向きが示されます。地球を向くよう向きを変えられるアンテナですので、その角度が表示されています。 |
J | : | 「はやぶさ2」の送信機の状況が表示されます。送信に使用しているパワーアンプ(AかBとそのモード)、送信モード、送信通信速度(ビットレート)、接続されているアンテナが表示されます。 |
K | : | 「はやぶさ2」の2つの受信機が受けている地上からの電波の受信レベルと受信通信速度(ビットレート)、接続されているアンテナが示されます。 |
L | : | 「はやぶさ2」に取り付けられている12個のスラスタ(化学エンジン)が噴射した秒数のある時点からの積算が、スラスタごとに表示されています。 |
M | : | UDSC64とは臼田宇宙空間観測所(長野県佐久市)にある口径64mのパラボラアンテナのことを、MDSS54とは同観測所内に新造され2021年4月より新たに定常運用が開始された口径54mのパラボラアンテナのことを指しています。図2のように「通信状態」のところに波が動くような表示が現れている場合には、「はやぶさ2」との通信が行われていることを示しています。 |
N | : | USC34とは内之浦宇宙空間観測所にある口径34mのパラボラアンテナのことを指しています。図2の場合には「通信状態」のところに何も表示されていないので、「はやぶさ2」との通信はなされていないことになります。ここでは、「はやぶさ2」以外の探査機や人工衛星についての情報は表示されませんので、仮にアンテナが他の探査機・衛星との通信に使われていたとしてもこの画面では分かりません。USC34の右には、DSS-14/24/25/26、DSS-43/34/35/36、DSS-63/65/54/55、MLGという「はやぶさ2」で使う可能性がある海外のアンテナが記載されています。DSSはNASAが運用するDeep Space Network(DSN)を構成するアンテナ番号、MLGはESAが運用するESA’s tracking station network(ESTRACK)が南米に保有するアンテナです。これらのアンテナが「はやぶさ2」と通信している場合にはこの表示が変わります。 |
なお、「通信シミュレーターを開く」というボタンがありますが、これをクリックすると別の画面が現れて、地上から電波を送信した場合に探査機との通信にどのくらいの時間がかかるかを擬似的に体験できる通信シミュレーションとなっています。
拡張版の「はや2NOW」も是非、お楽しみください。
はやぶさ2プロジェクト
2021.05.19(2021.04.28の記事を再掲)

