★回収隊先発隊がウーメラに到着しました★

(S.N.)
★SV雑感★
週の後半のSV(スーパーバイザ)を担当しました。TCM-2とアンテナ(LGA-C)試験という大きな運用がありました。普段と違う大きな運用があるときは、PM(プロマネ)やFD(フライトディレクタ)をはじめシステムや姿勢系のスーパーエンジニアがたくさん参加するので、 サイエンスチームの自分はちょっと俯瞰して見てしまいます。ちなみに、SVの席は新型コロナウイルス対応で後方の全体を見渡せる位置にあります。 これらの運用では、ブラッシュアップされ多くのチェックを経て手元にやってきた最終手順書をもとに、緊張しながら粛々と進めていきました。 TCM-2運用(11/12)は、TCM-1の時に比べると管制室の雰囲気はリラックスしており、結果は難なくクリア。 アンテナ試験は金曜日(11/13)の運用で実施して問題なし。そして、土曜日(11/14)の運用は、休日ということも重なって来る人もいなくて、SV、コマンダー、運用当番の学生のたった3人の寂しい運用になりました。(M.H.)
★地球リエントリに向けた精密誘導航法★
地球リエントリまで一か月を切り、はやぶさ2のカプセルをウーメラに正確に導くために必須の作業である、はやぶさ2の精密軌道決定も日々忙しくなってきました。はやぶさ2最終誘導フェーズにおける軌道決定は、JAXAの軌道決定チーム、日々の衛星運用をサポートして下さっている富士通のチーム、NASA/JPLの Shadow navigation team、の3者が各々独立に開発した、3つの異なるソフトウェアで得られた解を比較しあう事によって、リスクが最小になるような体制を敷いています。各々の解に微小な差異があった場合には、その原因を探るためにとことんまで議論を尽くし、 解の健全性を十分に確認した上で、軌道制御計画の立案作業に移ります。近付いてきている大団円に向けて気の抜けない日々が続きます。(H.T.)
★観測プログラム:地球帰還前の最後の書き換え★
「はやぶさ2」に搭載された観測機器(航法用カメラもですが)の多様な動作を確実かつ少ないコマンド数で実行するために、観測プログラムと呼ばれるコマンドシーケンスを使います。観測機器用の観測プログラムはデジタルエレキ(DE)に事前登録しておきますが、登録できる数に限りがあるため、時々書き換える必要があります。今回は打ち上げ後18回目、そして地球帰還前の最後の書き換えを行いました。地球帰還の後に離れてゆく地球の撮像に使用する予定です。(T.O.)
★回収班本隊もアデレードに到着しました★
カプセル回収班の本隊(59名)も、11月9日にアデレードに到着しました。 PCR検査も全員陰性で、まずは第一関門クリアです。 オーストラリア入国時の2週間の隔離期間はホテルの部屋から一切出られず、三食の食事も各部屋へのケータリングで、なかなか厳しいです。 隔離期間が明けたらすぐに作業できるよう、オンラインで打合せをしたりして準備を進めています。(S.N.)
※これまで「回収隊」と書いていましたが「回収班」が正しいので、今後は回収班と記載します。
★GREATの試験に参加★
はやぶさ2は、リエントリに向けた準備が進んでいますが、 JAXAの新しい美笹深宇宙探査用地上局の立上げにも貢献しています。11月6日には、運用を中断して天頂を向き、またすぐに、はやぶさ2を追尾するという試験を実施。従来のアンテナと比べて大幅にアップした駆動スピードに驚きました。新しいアンテナの性能に期待が持てます。(T.I.)
★リエントリ運用のリハーサルを行いました★
今日は14時~22時(日本時間)にかけて,リエントリ運用のリハーサルを管制室で行いました.宇宙を飛行中のはやぶさ2実機を使い,カプセルの分離と地球圏 離脱マヌーバー(TCM5)をタイムリーに行えるかを,管制メンバー全員で確認する訓練でした. オーストラリア政府からは,安全担当官に参加していただき,本国と連絡を取り 合いながら,タイムリーにはやぶさ2チームにカプセル分離や軌道制御の実行許 可を発行していく,ということも行いました. 途中,カプセルチームから2回「異常発生」のコール.管制室に緊張が走りまし たが,これはトラブル対処訓練のためにカプセルチームが打った芝居.管制メン バーは,スケジュールを組み替えながらトラブルに対処し,最終的に(芝居のシ ナリオ通り)1時間遅れでカプセル分離を行うことができました. 実機を使う訓練ということで,緊張感は本番さながら.しかしさすがに今日はカ プセル分離はしてはいけません.模擬で「カプセル分離確認!」「やったー」と 喜んでみるのですが,そこばかりはみなさんひどい大根役者ぶりでした.本番は, 心から湧き出る自然な喜びの姿がみられることでしょう.(Y.T)
★回収隊先発隊がアデレードに到着しました★
いよいよ、「回収隊」が行動開始しました。 11月1日に、第一陣14名が赤道を超え、アデレードに到着しました。 隊員は全員元気です。 コロナ対策として、これから2週間の現地隔離を経て、ウーメラ砂漠へ移動することになります。 我々が入国できるよう支援してくれたオーストラリアの関係者皆様に御礼申し上げます。(S.N.)
★いよいよオーストラリアに向かいます★
カプセル回収班の先発隊は、11月1日夜にいよいよ回収に向けて出国します。 本日は、相模原市に壮行会を開いていただき、激励していただきました。 打ち上げから6年、開発着手からは10年、ようやくここまで来た、という気持ちで一杯です。 南半球のオーストラリアでは真夏の炎天下での作業になります。 さらにコロナの問題も加わりますが、無事カプセルを回収して日本に持ち帰り、皆様にお見せしたいと思います。 楽しみにしていてください。(S.N.)
★順調に運用が進んでいます★
はやぶさ2が地球に向かって来ているんだなぁと実感しています。 まず探査機との交信が往復で100秒を切りました。 近傍フェーズの頃は40分くらいだったので今はとても近くに感じます。 次にビットレート。はやぶさ2最高の32kbpsで通信してもまだまだ余裕ありです。 そして今週ついに運用手順書に登場した「CPSL」という4文字。 言うまでもなくリエントリ・カプセルのことです。 この文字の入ったコマンドを見るだけで緊張する運用者は多いはず。 そんなこんなでドキドキした運用をしています。(Y.Y)
★運用は天気との戦いでも★
はやぶさ2との通信には,長野県佐久市の臼田宇宙空間観測所(UDSC)にある直径64mのパラボラアンテナを使います(今年の春にはある有名J-Popバンドのアルバムのジャケットにも使われました!). 本日も順調に運用していましたが,臼田近辺の風が後半でかなり強くなってきて荒れ模様に…….風速が20m/sを超えると運用を一時的に中断することになっているので,気象情報を睨みながらいつ中断が入っても大丈夫なように運用を続けましたが,なんとか風速は20m/s以下に収まってくれました. 強風,雷,雪,台風……運用は天気との戦いでもあります.(N.O.)
★静かな運用が戻ってきました★
TCM-1も無事に終了し、静かな運用が戻ってきました。 地上から探査機にコマンド(指令)を送ると、探査機からのアンサー(返事)が返ってきますが、その待ち時間も日に日に短くなって、この日は2分以下でした。 はやぶさ2がどんどん地球に近づいてきているのを実感します。 探査機からデータを送る速度(ダウンリンクビットレート)も最大値である32kbpsになり、探査機のステータスが秒単位で分かるという贅沢な運用ができています。 リエントリに向けて精密に軌道決定を行うため、この日もレンジングを長時間実施しました。(N.O.)
★TCM-1が無事に終わりました★

(M.Y.)
★明日はTCM-1です★
TCM-1を明日の18時頃(日本時間)に行う予定ですが、その準備を行っています。 TCMとは、Trajectory Correction Maneuver(軌道修正)のことです。 これからリエントリ直前まで、探査機の軌道を精密に制御して、再突入カプセルをぴたっとウーメラに戻します。 TCM計画のために、昨日からJPLも巻き込んで、軌道決定や軌道計画が目まぐるしく動いているところです。(M.Y.)
※以前にも行ったことがありますが、本日からこのような現場の状況をお知らせします。是非、ご覧下さい。
    以前の運用報告はこちら:http://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/status/